IGPI卒業生紹介

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眞子祐一

ぴあ株式会社
執行役員
経営企画室長
兼 コーポレート統括補佐
  コンプライアンス室長
  CSR推進室
2009年8月IGPI入社、2011年6月退職

エンタテイメントの世界で
しっかり守ることで
果敢に攻めていく

ぴあ史上、最も厳しい状況のときに転籍を決意

 なぜあのとき転籍したのか? 今でもよく驚きをもって聞かれることですが、シンプルに「もっと役に立ちたい!」と思ったからであり、そんな自分自身に気合いを入れるためでした。2011年7月、私はぴあ株式会社(以下、ぴあ)にIGPIから転籍して入社しました。
 「はじめに遊びがあった。」 これは、「ぴあのスピリッツ」として企業理念にも掲げている言葉ですが、ぴあは社長の矢内廣を中心に、映画好きの仲間が始めたビジネスに端を発します。これまでにない発想の情報誌「ぴあ」は若者を中心に支持を集め、さらに日本初のコンピュータオンラインネットワークによるチケット販売サービス「チケットぴあ」を始めると、会社は急成長。03年には東京証券取引所第一部に上場するまでになりました。
 しかし、インターネットの普及により情報誌「ぴあ」の発行部数が減少し、赤字経営に…。丁度その頃、ぴあのターンアラウンドをIGPIが支援することになり、08年5月、ぴあはIGPIと業務提携、3人のIGPI社員が出向の形でハンズオン現場に入り込んでいきました。そして09年8月、4人目の出向メンバーとして私が加わり、数年を経て、ぴあが最も苦しい時期に、IGPIを卒業してぴあに転籍することを決断したのです。「出向」と「転籍」では重みが違うという見方もあるかもしれませんが、私は、出向していたときから「その会社の一員」という思いで取り組んでいたので、気持ちの上では違いはありませんでした。ただ、一緒に働いているぴあの社員の方々に対しては、転籍の決断は、「この難局を乗り切るために、腰を据えて取り組むから、一緒にがんばろう!」というメッセージになったと思います。当時は、黒字化に向けて着々と歩み始めた矢先に東日本大震災が発生、あらゆるイベントが中止され、世の中は自粛ムード、そもそも電力不足でコンサートホールが使えない状況でした。おまけに、開催を取り止めたチケットの払い戻しも相次ぎ、再び赤字経営の危機に陥る、そうした中での転籍だったのです。実際、矢内社長からは「こんなときに本当にありがたい」との言葉をいただきました。

やるべきことは会社の基本動作をおさえること

 誰もが「これはダメだろう…」とサジを投げるような状況を、なんとかして良い方向に変えていく。そういうのが好きなのだと思います(笑)。思い起こせば、ぴあに入社するまでもそんな状況が続いていましたから。
 新卒で入った光通信は入社してすぐに株価がストップ安。主力事業の大幅縮小という事業再生の仕事をすること3年。そこでご一緒したマネージングディレクターの方に誘われ、産業再生機構に移りました。各分野のトップクラスのプロフェッショナルしかいない状況での最年少での入社でしたので不安もありましたが、窮境に陥った企業で働いた経験を生かしながら、案件の検討だけでなく複数の温泉旅館やカネボウ化粧品で実際の経営に携わることができました。その後、IGPI設立の際にもお誘いを受けたのですが、産業再生機構で知見不足を痛感した不動産に関する知識を得たいと思い、当初は不動産投資会社へ転職。しかし、リーマンショックが起こったタイミングで、IGPIの経営陣に改めて声をかけていただき、IGPIに参画することになったのです。
 IGPIに入社した翌日からぴあに常駐することになり、まずは黒字化へのアクションプランの策定と実行の日々が始まりました。会社内の様々な会議に出させていただき、ぴあの事業を理解しつつ、10年度の黒字が見えてきた最終月の11年3月に東日本大震災が発生しました。その後、ぴあへの転籍を決心したのでした。
 私がぴあでできること、それは会社としての基本動作をきちんとおさえること。事業と財務の両面で経営を見ていくのはもちろん、コンプライアンスやCSRなど上場会社として求められることすべて。守るべきところをしっかり守ることで、果敢に攻めていける。そう考えています。

ライブエンタテイメントで世の中を良くしていきたい

 そして今、ぴあは前向きに力強く歩んでいます。14年には、IGPIと株式会社セブン&アイ・ネットメディアとともに、中国・北京を中心にイベントの企画制作事業を展開する「北京ぴあ希肯国際文化発展有限公司」を設立。20年春には、横浜みなとみらい地区に大型音楽アリーナを開業します。民間企業単独による1万人規模のアリーナ建設・運営は、国内でも初めての事例です。
 ライブエンタテイメントで世の中を良くしていきたい。ぴあにはそんな空気が満ちています。その現れが、映画界における新しい才能の発見と育成をめざす「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」。これは40年以上続くものです。また、震災復興のために社内の有志から始まった「チームスマイル活動」では、エンタテインメントによるさまざまな支援活動を行っています。こうした取り組みをこれからも長く継続させていくために、いずれも一般社団法人化し、現在、双方の理事を務めています。ぴあが支援すべき活動のど真ん中にあるものですから。
 また、17年12月には、勤続3年以上の全従業員335名に1人あたり300株を付与しました。これは譲渡制限付株式(RS)付与制度によるもので、制度発足以来、この規模での実施は上場企業としては初めてのことです。会社のことを最も支えている従業員が株主になれば、もっとパワーが出せるはず。これからのぴあにぜひ注目してください。