IGPI卒業生紹介

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清川 忠康

オーマイグラス株式会社 代表取締役社長
2008年1月IGPI入社、2009年退職

“モノこそすべて”
経営者になって知る
モノづくりの偉大さ

日本の良いモノを世界に伝えたいと考えて起業

 日本のメガネをインターネットなど最新のテクノロジーを活用して、世界中で販売し、より多くの人に届けたい。そんな想いから2011年7月、「オーマイグラス株式会社」を設立しました。もともと日本のモノや技術、会社を元気にするような仕事をしたいと思っており、それが起業の原点となっています。こうした考えは、IGPIがめざすところと合致しているのではないかと思います。
 では、なぜメガネなのか? 理由は2つあります。ひとつは、私自身がユーザーとして好んで使っており、メガネのことをよくわかっていたから。つまり、愛着のある商材だったのです。もうひとつは、日本の良いモノを世界中に伝えていくという点において、メガネはプロダクトとして高いポテンシャルがあると思っていました。
 実際、海外の友人・知人たちから「日本製品は信頼できる」「質が高い」という言葉をよく耳にします。一方で、安価な海外産に押されて産業としては停滞傾向という厳しい現実もあります。「高品質だが、その分、値段も高いから手が出ない…」
 世界三大メガネ産地のひとつといわれる福井県鯖江産のメガネも、まさにそうした課題を抱えていました。日本の優れたものづくりを象徴する鯖江産のメガネを復活させて、世界に誇れるオリジナルブランドを育てよう。そう考えメガネ・サングラスの通販サイト「oh my glasses」をオープン。国内外の人気ブランド商品に加え、鯖江の職人さんと共同製作したオーマイグラスの自社ブランド「Oh My Glasses TOKYO」と「TYPE」の販売をスタートさせました。

3度の留学経験と設立直後のIGPIでのプロジェクト経験の影響

 これまでアメリカ留学を3度経験しました。1度目は大学在学中のこと。2度目は大学卒業後で、インディアナ大学の大学院に進み、会計学とファイナンスを学びました。帰国後は外資系投資銀行に勤務。ちょうどその頃、冨山和彦さんの講演を聴くことがあり、その考え方に共感。以前から冨山さんの存在は知っており、産業再生機構にも興味をもっていたこともあり、設立まもないIGPIに転職しました。
 1年ほど勤めた頃、たまたまスタンフォード大学ビジネススクールに入学できるチャンスがあり、トライしたところ合格。これが3度目のアメリカ留学です。IGPIで一緒に働いていたメンバーの方々も快く送り出してくれました。スキルアップしようとチャレンジする人には実におおらかな会社です。個を大切にする企業風土はIGPIならではでしょう。
 在学中、米中のスタートアップ企業の経営に関わったことで、起業への思いが高まりました。与えられるプロジェクトではなく、自ら考えたビジネスプランを実行してみたい、という思いが強くなり、起業家へ。これは、IGPIでより当事者意識、実行が求められる経験をしてきた影響もあるかなと思っています。
 余談ですが、起業の準備をしていた時期、偶然サンフランシスコの空港で冨山さんにお会いし、スタンフォードまで冨山さんに車で送って頂きながら、車中、オーマイグラスの事業計画についてディスカッションしたことがあります。IGPI卒業しても、「日本のモノや技術、会社を元気にしていこう」という同じ志を持った同志として常にフランク且つ暖かく迎えてくれるのもIGPIならではの価値観ではないかと思います。
 そして、起業した会社であるオーマイグラスのビジネスモデルは、スタンフォード大学での授業中に作成したビジネスプランが元になっています。インターネットを活用して効率化を徹底することで、ローコスト運営を行う。その結果、市場価格よりも30~50%抑えて販売することを可能にしました。品質が高く、ブランドとしての良さもある商品をリーズナブルな価格で提供する。これがオーマイグラスのビジネス戦略なのです。

オンラインストアとリアル店舗による相乗効果も

 創業当初はオンラインストアに限定していましたが、14年よりリアル店舗の運営もはじめ、現在は全国で10店舗を展開しています。オリジナルブランドの強化がねらいでしたが、オンラインストアとリアル店舗を融合させることで、さらに効率性が高まったと思います。インターネットだけでは不十分だったブランディングもリアル店舗があることで、ブランドのもつ世界観をお客さまに伝えやすくなりました。また、リアル店舗で気に入ったものを見つけたら、次回以降はオンラインストアで購入するお客さまも増加。まさに相乗効果ですね。
 起業して7年、いまつくづく感じるのはモノづくりへの敬意。モノを生み出すことのできるイノベーターやエンジニア、クリエイターと呼ばれる人たちを心から尊敬します。モノは利益の源泉、モノこそすべて。経営者になってそれがよくわかりました。良いモノを作れば、モノは売れ、利益を還元できる。だからこそ、「ちゃんと良いモノを作っているか?」 常に自分に問いかけています。
 最近、ヨーロッパからの受注も増えてきました。私たちの価値観が広く受け入れられてきたことを嬉しく思います。「新しい常識を創る」というビジョンのもと、これからも質の高い日本製品をより多くの人に提供していきたいですね。